乳頭癌—積極的経過観察，葉切除，予防的外側区域郭清

Treatment strategies for papillary thyroid cancer: active surveillance, thyroid lobectomy, prophylactic lateral neck dissection

POINT

●成人の超低リスク乳頭癌（T1aN0M0）の進行率は非常に低く，少し進行してから手術を施行しても生命にかかわる再発はきわめて稀なため，積極的経過観察が推奨される。

●病変が片側葉にとどまる低リスク乳頭癌（T1N0M0）には，葉切除が推奨される。

●中リスク乳頭癌症例の多くに葉切除が適用できるが，低リスクまたは超低リスクに比べると，予後は依然として不良であるため，症例ごとの治療選択が必要である。

●大きな腫瘍径，甲状腺外浸潤といった予後不良因子のないcN0，cN1a乳頭癌に対しては，予防的外側区域郭清術を行わないことが推奨される。