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先日久しぶりに休日の銀座をぶらぶらと散歩(銀ぶら)しました。皆さん口をそろえて言う通り,街の中いたるところ外国人で溢れ,とにかくすごい数の観光客が来日しているようです。日本は大人気ですね。YouTubeを見ると「日本は素晴らしい国だ!」という投稿がたくさんあります。一番目に付くのは食事に関するもので,口の中でとろける極上和牛や大トロ握り寿司に始まり,定番のラーメン,抹茶アイス,さらにはコンビニの卵サンドまで,皆さんまあよく食べること。ユネスコ無形文化遺産でもある「和食」を本場で味わって喜んでいただくのは,嬉しいし誇らしくもあります。将来はもう一歩踏み込んで,脂がのったブリの煮つけとか新じゃがいもの肉じゃがとか,そういう家庭の味も知ってほしいですね。あとは「日本の街はゴミ一つ落ちてなく清潔で静かで,日本人は礼儀正しく親切で感動した」という投稿もよく目にします。われわれにとっては当たり前のこと,と思えるのは,子供の頃からの道徳教育の賜物でしょう。これも誇らしいところですが,一方でいつまでも海外の方にそう感じていただけるよう,自分も普段から整理整頓とかまじめで紳士的な振る舞いというものを意識して生活しないといけないと思います。なかなか簡単ではないですが,慌ただしい日々の診療のなか,己を省みる静寂の時間も必要です。
さて今月の特集は「緊急気道確保せよ」。これは静寂とは真逆のきわめて動的な処置です。耳鼻咽喉科・頭頸部外科医であれば,誰もが遭遇する可能性がある気道のトラブル,その場にいてとっさに体が動いて必要な手技や周囲への指示ができるためには,普段から緊急時の対応を頭の中にイメージとして入れておかなければなりません。今回,12名のエキスパートの先生方に,患者の状態をどう評価し何をすべきかご執筆いただきました。お忙しいなかご寄稿下さり心より御礼申し上げます。また今月号は原著論文2本も掲載されています。いずれも興味深い内容です。ご一読いただければと思います。

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