増大号特集 あなたの整形外科診療が変わる 差がつく画像診断技術—単純X線からAIまで
column
腸管ガスと思ったら……
奥田 実穂
1
1金沢大学附属病院放射線部
pp.560
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600050560
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整形外科の先生は診察にて臨床所見をとった後でX線を評価することにより,病変を見逃すことはあまりないと思われる.一方,放射線科医は,X線といえば胸腹部X線であり,肺炎や肺縦隔腫瘍,イレウスや尿管結石を対象として撮像されたものを日々相手にしている.下図のX線(図a),さっとみて異常なし.後に骨盤骨腫瘍としてやってきて(図b)びっくり,腸管ガスと思われたが溶骨性病変であった.図c,dの病変は仙腸骨腫瘍の症例で,左腸骨の皮質に欠損とズレがあるために発見可能であるが,腸骨を置換するような大きな腫瘤に気づかないこともたまにある.
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