増大号特集 あなたの整形外科診療が変わる 差がつく画像診断技術—単純X線からAIまで
column
適切な画像診断のために—正しい臨床診断と必要十分な臨床情報を
佐志 隆士
1
1AIC八重洲クリニック
pp.518
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600050518
- 有料閲覧
- 文献概要
画像診断にとって,一番大切なことは,正しい臨床診断ができていることである.現病歴,既往歴,身体所見,主訴…などをより深く探求する必要がある.そのうえで診断を付けて,予想される肩関節病変を画像の上でも確認する.
若手一般整形外科医は画像診断の前に整形外科教科書を熟読する必要がある.次には解剖図譜を脳裏に焼き付ける必要がある.肩関節のMRI断層画像診断は難しいが,一般的,標準的整形外科教科書を熟読すれば画像新技術を身に付ける一助となる.臨床診断技術や治療に優れた経験豊富な整形外科医でも,画像診断技術を自在に操るのは困難である.若手骨軟部画像診断医は画像の異常所見に気付くことができるが,その病変がどのようにして生じ,どのようなときにどのような症状を呈するかを知らない.合格点読影レポートはごく少数の画像診断医でないと書くことはできない.そもそも必要十分な臨床情報がなければ画像診断はできない.
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.