増大号特集 あなたの整形外科診療が変わる 差がつく画像診断技術—単純X線からAIまで
column
正確な高位判定のために
中田 和佳
1
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児画像診断部
pp.512
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600050512
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
脊椎は通常,頚椎が7個,胸椎が12個,腰椎が5個,仙椎が5個,尾椎が3〜5個からなる1).胸腰椎移行椎,腰仙椎移行椎はそれぞれ,胸椎と腰椎,または腰椎と仙椎の両方の特徴を有する椎体をさし,しばしば高位判定の相違を生む原因となる.
椎体高位の同定と臨床医との認識の共有は手術や穿刺などの侵襲的な手技において非常に重要である.文献では頚椎は7個で変動がないことを前提に軸椎(C2)から順番に検討されることが多く,頚椎に続く肋骨と連結する椎体を胸椎,胸椎に続き肋骨と関節を形成しない頭側の椎体を腰椎とすることが多い.実際には椎体や肋骨に奇形や数の異常を伴う場合や撮影されている範囲が脊椎の一部のみの場合など,判断が難しい.このため,一番確実なのは,key film上にどの椎体を何と定めたかを記して,認識を共有することであると考えている.
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.