特集 看護への道—学び舎を出て3年
私の“臨床3年”
十分な基礎知識を
奈良 幸枝
1
1釧路赤十字病院
pp.32
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914397
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看護学院を卒業して3年,その間助産婦学校に1年間学び,現在産婦人科病棟の新生児室に勤務し,ベビーの泣き声を聞きながらの毎日,こうして早くも10か月が過ぎようとしている。
私たちは伊達赤十字高等看護学院に学び,当院へ3名が赴任した。何でも見てやろうと私たちは希望に胸ふくらませ,母院より離れ,クラスと別れて勤務する淋しさも,もちまえの元気さて吹きとばしてしまった。そして配置されたところは,外科,整形外科病棟であった。ギプスカット,点滴,輸血,投薬,包帯交換と処置は多く,学生の時には想像もつかないほどたいへんで,毎日毎日が戦争であった。私は新卒で何もできません,あれも,これも,はじめてですなどと言ってはいられない。新卒だろうが,何だろうが,学院を卒業した以上,一人前の看護婦以外の何ものでもないことを思い知らされた。
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