特集 精神科診療でジェンダーに直面するとき
【社会におけるジェンダーの課題】
〈column〉
見えない攻撃を可視化する—精神医学におけるマイクロアグレッションの理解と臨床的意義
内田 舞
1,2
1ハーバード大学医学部
2マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター
キーワード:
マイクロアグレッション
,
microaggression
,
ジェンダーバイアス
,
gender bias
,
アンコンシャスバイアス
,
unconscious bias
Keyword:
マイクロアグレッション
,
microaggression
,
ジェンダーバイアス
,
gender bias
,
アンコンシャスバイアス
,
unconscious bias
pp.1023-1025
発行日 2026年7月15日
Published Date 2026/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810680071023
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はじめに
本稿では,ジェンダーの問題を考えるうえで欠かせない日常の中に埋め込まれた「小さな攻撃」であるマイクロアグレッションに焦点を当てます。こうした無意識の偏見に基づく言動は一見些細に見えますが,反復されることで個人の心理的安全性を脅かし,抑うつや不安,自己評価の低下,さらには身体症状といったかたちで,メンタルヘルスに持続的な影響を及ぼしえます。
精神医学においては,症状のみを個人内の問題として捉えるのではなく,その背景にある社会的・文化的要因を理解する視点が不可欠です。マイクロアグレッションの概念は,患者が語る「言葉になりにくい違和感」や「説明しづらい苦痛」を臨床的に位置づけ,治療関係の中で適切に受け止めるための重要な手がかりとなります。
そこで,以下,拙著『ジェンダー・ジャスティス—社会の無意識が生み出す性と権力の構造』(幻冬舎,2026年)より抜粋してご紹介します(カッコ内は筆者による補足です)。

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