ひろば
対象者と共同的に理学療法を展開するためにマイクロアグレッションを自覚する
喜多 一馬
1
,
楠田 菜緒子
2
Kazuma KITA
1
,
Naoko KUSUDA
2
1株式会社PLAST
2株式会社日本在宅ケア教育研究所ナースステーション東京目黒
pp.1373
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202867
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マイクロアグレッションとは,「ありふれた日常のなかにある,ちょっとした言葉や行動や状況であり,意図の有無にかかわらず,特定の人や集団を標的とし,人種,ジェンダー,性的指向,宗教を軽視したり侮辱したりするような,敵意ある否定的表現」1)とされるものである.近年,差別や偏見をめぐる議論が盛んになっているなか,注目されている.
例えば,ジェンダーにかかわるマイクロアグレッションとしては,明らかなものとしてセクシャル・ハラスメントがあるのはもちろんのこと,家事や育児を女性の役割として押し付けることや結婚しているかシングルかを前提とした会話を行うこともその範疇であり,あるいは,これらの存在を否認して問題がないことにしてしまうこともマイクロアグレッションに該当するものである.また,これらは意図的で他者を傷つけることを目的にしているものだけが存在するのではなく,非意図的で一見すると無害あるいは無垢であるような存在のものもあり,発する側が気づかないことも多いものである.
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