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特集 精神医療は何を目指すのか—アウトカムとエンドポイント
児童青年期精神医療のアウトカムとエンドポイント
Outcome and Endpoint of Child and Adolescent Psychiatry
亀岡 智美
1
Satomi Kameoka
1
1兵庫県こころのケアセンター
1Hyogo Institute for Traumatic Stress, Hyogo, Japan
キーワード:
アウトカム
,
outcome
,
指標
,
endpoint
,
児童青年精神医学
,
child and adolescent psychiatry
Keyword:
アウトカム
,
outcome
,
指標
,
endpoint
,
児童青年精神医学
,
child and adolescent psychiatry
pp.1025-1029
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670071025
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抄録
児童青年期精神医療の最適なアウトカムは,単に「精神疾患ではない状態」を目指すだけではなく,「ウェルビーイングな成人期を生きていけるようになること」,すなわち,「自立した大人として機能していけること」であると考えられる。この2つのアウトカムの指標となるエンドポイントを考える際には,発達的視点と照らし合わせて症状を評価することや,症状のみならずQOLの視点から評価すること,さらには,「児童青年期の病歴を考慮した最善のアウトカム」の視点から,成人になってから病気や機能障害が生じる可能性に焦点を当てた評価など,児童青年期特有の多軸的な視点が必要となる。さらに,児童青年は,環境に大きく依存して生きる存在であるだけに,親子関係やアタッチメントの質,家庭環境,子ども本人や子どもが暮らすコミュニティが被るストレスやトラウマに関連する指標などがバランスよく含まれている必要がある。

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