増大号特集 睡眠の正しい理解を促す70のトリビア
Ⅱ章 睡眠のとり方に関する疑問
Q10 「寝る子は育つ」といいますが,睡眠時間を削ると子どもの成長に弊害はありますか?
駒田 陽子
1
1東京科学大学リベラルアーツ研究教育院
キーワード:
子ども
,
children
,
成長ホルモン
,
growth hormone
,
身長
,
height
,
肥満
,
obesity
Keyword:
子ども
,
children
,
成長ホルモン
,
growth hormone
,
身長
,
height
,
肥満
,
obesity
pp.568-570
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670050568
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A 身体の成長や修復,疲労回復に大きな役割を担う成長ホルモンは,入眠してから最初に現れる深い睡眠である徐波睡眠期に一致して,血中濃度が顕著に上昇します。睡眠をとらせない断眠条件では,睡眠前半部分の成長ホルモンの分泌ピークは消失し,一日を通して間欠的な分泌動態となります。「寝る子は育つ」を裏付ける臨床例として,小児の閉塞性睡眠時無呼吸ではしばしば成長の遅れがみられること,適切な治療介入により術後の身体発育が回復することが報告されています。

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