Japanese
English
臨床経験
巨人症に合併した胸椎椎間板ヘルニアの1手術例
An Operated Case of Thoracic Disc Herniation in Giantism
塩見 朗
1,2
,
長谷 斉
1
,
茶谷 賢一
1
,
平澤 泰介
1
Akira Shiomi
1,2
1京都府立医科大学整形外科
2現:国立療養所村山病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
胸椎椎間板ヘルニア
,
thoracic disc herniation
,
巨人症
,
giantism
,
成長ホルモン
,
growth hormone
Keyword:
胸椎椎間板ヘルニア
,
thoracic disc herniation
,
巨人症
,
giantism
,
成長ホルモン
,
growth hormone
pp.637-640
発行日 1993年5月25日
Published Date 1993/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901124
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抄録:巨人症や末端肥大症では,成長ホルモン(以下GHと略す)の分泌過剰が椎間関節,椎間板および黄色靱帯に影響を与えて脊柱管狭窄を生じることが報告されている.我々は巨人症に胸椎椎間板ヘルニアを合併した稀な1例を経験した.症例は,身長204cm,体重125kgの25歳の男性で,25歳時下垂体腺腫にて手術を受けた下垂体性巨人症である.両下肢のしびれ感と歩行障害を主訴に来院した.精査の結果,Th9/10,Th12/L1の椎間板ヘルニアと診断し,開胸にて2椎間の前方除圧固定術を施行し,良好な結果を得た.
本症例ではGH分泌過剰によって関節軟骨内骨化促進による椎間関節の肥大変形と骨膜性骨化促進による下部胸椎椎体前後径の増大が起こり,これに脊柱管内靱帯の肥厚が加わり脊柱管狭窄を招いた.この状態において長身と体重による異常な負荷がかかりdiscのprotrusionをおこし,脊髄症状が出現したと考えられた.
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