医療リワークによる職場復帰のための認知行動療法・グループ療法の実際

Actual Cognitive-behavioral Therapy and Group Therapy for Return to Work in Medical Rework Program

抄録

　社会の変化とニーズにより誕生した医療リワークは，全国へ広がり発展している。医療リワークにしかできない大切な役割に，「見立て・診断を深め，それに伴う治療の見直しと回復を進める」取り組みがあり，見逃されてきた双極症や神経発達症要素が判明し，大きく改善するケースもよくある。また，医療リワークでは，復職に向けての準備だけでなく，機能する再発予防対策までを行う。まず主体性を育み，働けなくなった場面の「ふりかえり」を適切に進め，利用者主体の疑似職場活動にて葛藤場面を多く体験しながら，準備した再発予防対策の実践とブラッシュアップを進めている。医療リワークでの認知行動療法・グループ療法を中心とした学びは，このような長時間の凝集性の高い，安全性の担保された良質なグループでの体験を通して，体得され変容していく。医療リワーク利用後の就労継続性が良好とのエビデンスも多く報告されている。