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あとがき
栁原 克紀
pp.1068
発行日 2026年9月15日
Published Date 2026/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200700091068
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感染症診療に携わっていると,「真菌症は難しい」という言葉を耳にすることが少なくありません.細菌感染症のように培養で比較的早く原因菌が判明することも少なく,症状や画像所見だけでは診断に至らないこともしばしばあります.診断がつかないまま時間だけが過ぎ,患者さんの病状が悪化していく.そのような経験をされた医療者は少なくないのではないでしょうか.
一方で,この20年ほどの間に真菌症診断は大きく変わりました.β-D-グルカンをはじめとする血清学的検査,MALDI-TOF MSによる迅速同定,遺伝子検査,さらにはNGSによる網羅的解析など,新しい技術が次々と臨床へ導入され,診断できなかった症例が診断できる時代になりつつあります.しかし,最新技術に触れるたびに感じるのは,検査法が進歩しても「良い検体を採ること」「患者さんを診ること」「培養や病理を丁寧に評価すること」の重要性は決して変わらないということです.新しい検査は従来法に置き換わるものではなく,その価値をさらに高めるものなのだと感じています.

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