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はじめに
ISO 20387は,バイオバンキングに対する信頼性を高めるために,それまで各国,各施設でバラバラであった管理基準を統一し,国際的なデータ共有を図ろうと策定された国際規格である.
この規格は研究・開発のための多細胞生物(ヒト,動物,植物など)および微生物に由来する生物材料を含む,全てのバイオバンキング実施施設に適用可能である.
わが国においては,公益財団法人日本適合性認定協会(Japan Accreditation Board:JAB)が2023年3月にISO 20387に基づくバイオバンクの認定事業のパイロットプログラムを実施,2024年3月に京都大学医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンターほか,3施設が国内初となるJIS Q 20387:2023(ISO 20387:2018)認定を取得している.
現在,JABのバイオバンキング認定分野は以下である.
①血液:全血,血漿,血清,バッフィーコート,末梢血単核細胞,その他
②細胞:幹細胞(骨髄,末梢血,臍帯血,その他),株化細胞(具体的な細胞種),プライマリー細胞(具体的な細胞種),腫瘍浸潤性リンパ球,その他
③組織(ヒト由来):FFPE(formalin fixed paraffin embedded,ブロック・スライド),凍結組織(固定の有無,固定の種類など),その他
④穿刺液:体腔液(胸水,腹水,その他),羊水,脳脊髄液,その他
⑤排泄物:糞便,尿,その他
⑥分泌物:唾液,喀痰,鼻腔スワブ,その他
⑦核酸:血液核酸(DNA,RNA),その他
⑧その他:気管支肺胞洗浄,骨髄(幹細胞以外),その他
基本上記の試料は“ヒト由来”を対象としている.

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