増大号 超実践! 病理で迫るがんゲノム医療—検査から治療まで
2章 がんゲノム検査に関わるテクニックと工程
病理検査領域の工程
腫瘍細胞含有率の算出方法とトリミング
川野 竜太郎
1
1慶應義塾大学医学部がんゲノム医療センター
キーワード:
腫瘍細胞含有率
,
マッピング
,
がんゲノム検査
Keyword:
腫瘍細胞含有率
,
マッピング
,
がんゲノム検査
pp.1080-1081
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690101080
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
腫瘍細胞含有率の算出
がんゲノム検査において必要な項目に“腫瘍細胞含有率”がある.“腫瘍細胞含有率”とは,使用するブロックの標本に関して,非腫瘍部を含む全有核細胞数に対する有核腫瘍細胞数の割合を指す.ここで重要なポイントは,面積ではなく有核細胞数で判定するということである1).
必要な腫瘍細胞含有率は各検査系で異なっているが,最低でも20%以上の割合が求められている.腫瘍細胞含有率が低いと,次世代シークエンサー(next-generation sequencer:NGS)の検査結果を解析する際に遺伝子変異の偽陰性が生じるといったリスクがある.正確なコピー数増幅の変化を判定するためには40%以上の割合が望ましい2).
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.