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はじめに
2019年に,NGSを用いて一度に数十〜数百の複数のがん関連遺伝子を同時に調べる包括的ゲノムプロファイリング(comprehensive genome profile:CGP)であるがん遺伝子パネル検査が,わが国で初めて保険収載された.
これによって今まで,1対1で遺伝子変異の有無を確認していくコンパニオン診断のデメリットである,時間的なロスや検体の損失が解消されることになった.
2025年3月現在,保険収載され実働しているCGP検査は以下のものがある.
1.OncoGuideTMNCCオンコパネルシステム(以下,NCC)
2.FoundationOne®CDxがんゲノムプロファイル(以下,FoundatinOne)
3.GenMineTOP®がんゲノムプロファイリングシステム(以下,TOP)
4.FoundationOne®Liquid CDxがんゲノムプロファイル
5.Guardant360®CDxがん遺伝子パネル(以下,Guardant360)
1〜3.は病理検査のホルマリン固定パラフィン包理(formalin fixed paraffin embedded:FFPE)ブロックをメイン検体としており,4〜5.は血液を用いたCGP検査である.
本稿ではFFPEを用いる,①NCC,②FoundationOne,③TOP,またLiquid検査の代表として④Guardant360の検体提出方法を解説する.
2025年7月現在,慶應義塾大学病院(以下,当院)では保険診療のCGP検査の提出先は,NCCとTOPはLSIメディエンス社,FoundationOneはSRL社,Guardant360はBML社となっている.ベンダーによって提出方法が変わるが,本稿では当院での提出方法を基に説明を進める.

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