私のくふう
多目的処理のための電顕—硬化ブロックのトリミング方法
引野 利明
1
,
阿部 倫子
1
,
福島 辰郎
1
,
福田 利夫
1
,
町並 陸生
1
1群馬大学医学部第二病理学教室
pp.452
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913628
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周知のとおり,電顕における硬化ブロックのトリミング形状の適否は良い切片を迅速に得るためのたいせつな要因である.
今日では酒井の方法を始めとした種々のトリミング方法があり,それぞれの目的に応じたトリミングが行われているが,今回われわれがくふうした通常の電顕,電顕酵素組織化学,免疫電顕などの多目的処理のためのトリミング方法はあまり行われていないようである.すなわち①切片の切り離れが良く,収縮やバイブレーションなどのトラブルが少なく,伸展性の良い切片が得られ,免疫電顕などの薄切などにおいても良好な薄切性を得ることができる.②ボート内の水が試料面に付着することを回避できる.③ダウンストロークの際のナイフ刃先に与える衝撃や破損が少なく,メスきずなどの少ない切片が得られ,ダイヤモンドナイフ使用においても刃先を極力いためないこと.などである.
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