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今月の特集1 亜鉛と銅
感染症における亜鉛などの微量金属の意義
The significance of trace metals such as zinc in infectious diseases
安井 裕之
1
1京都薬科大学分析薬科学系代謝分析学分野
キーワード:
血清亜鉛値
,
亜鉛と細胞性免疫
,
亜鉛の抗菌作用
,
亜鉛と抗ウイルス免疫
,
亜鉛と血栓症
,
亜鉛と新型コロナウイルス感染症の重症化
,
亜鉛とCOVID-19の重症化
Keyword:
血清亜鉛値
,
亜鉛と細胞性免疫
,
亜鉛の抗菌作用
,
亜鉛と抗ウイルス免疫
,
亜鉛と血栓症
,
亜鉛と新型コロナウイルス感染症の重症化
,
亜鉛とCOVID-19の重症化
pp.232-238
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690030232
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Point
●生体微量金属の1つである亜鉛は,感染症における免疫システムと臓器の機能回復に重要な役割を果たしている.
●感染症に罹患した後で,血清中の亜鉛濃度は著しく低下することが多い.
●感染症によって起こりうる低亜鉛血症や亜鉛欠乏を解消することは,免疫力を維持し,合併症のリスクを抑えるために重要である.
●初期の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において,重症化患者の86%が潜在性亜鉛欠乏症,または亜鉛欠乏症を示し,低亜鉛血症の遷延がCOVID-19重症化のリスク因子となることが示唆された.
●感染症罹患後の早期から,亜鉛製剤を医師の診断のもとに処方することは病態学的に正当と想定されるが,その選択については合併症や低亜鉛血症の重症度を考慮する必要がある.

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