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唐津市は佐賀県の北西に位置し,2006年に旧唐津市と周辺の8つの町村が合併し現在の唐津市になりました.佐賀県北部地域の中心都市として県内では佐賀市に次いで第2位の市域人口を有します.中心市街地は唐津藩の城下町が前身で,唐津くんち,虹の松原,呼子朝市などが有名で,また伝統工芸品である唐津焼の産地でもあります.済生会唐津病院は,このような歴史,自然,文化の町に1934年「済生会唐津診療所」として内科,小児科の2科でスタートしました.現在では病床数193床,標榜12科,常勤医師32名で佐賀県北部医療圏の急性期基幹病院の1つとして地域の急性期医療の一翼を担っています.
外科は1942年に済生会創立30周年記念事業の一環として開設,1965〜1983年は人員不足で休診しましたが,1984年に再開されたのちは着実に発展の歩を緩めず現在に至っています.九州大学大学院消化器・総合外科の関連施設であり,10名の外科のスタッフのうち9名が同医局の出身者です.消化器外科指導医6名,肝胆膵外科高度技能指導医1名,心臓血管外科指導医1名,呼吸器外科専門医1名,乳癌学会指導医1名,日本内視鏡外科学会技術認定医1名が在籍しています.施設認定は,日本外科学会外科専門医制度修練施設,日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設,心臓血管外科専門医認定機構関連施設,日本がん治療認定医機構認定研修施設,日本乳癌学会関連施設,日本消化器内視鏡学会指導施設を受けています.全分野の専門医が在籍しており,専門医を中心とした安全で質の高い高度な医療を提供しています.年間手術症例数は約700例(全麻:約550例,腰麻:約50例,その他)で,臓器別では消化器:約400例(消化管:約200例,肝胆膵:約200例),呼吸器:約40例,乳腺:約60例,血管外科:約150例,ヘルニアなど約50例です.手術以外にもERCPや血管内治療なども積極的に行っています.早くから腹腔鏡手術を導入しており,悪性を含めた多くの消化器疾患(80〜90%)に対し腹腔鏡手術を行っています.悪性疾患に対する治療方針に関しては,内科・外科・放射線科・リハビリテーション科・検査科などが参加するCancer boardの下,各疾患の治療ガイドラインをベースに患者さんの全身状態などを考慮し綿密なカンファレンスを行ったうえで決定しています.
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