増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅳ術後合併症とその管理
腎・尿路系
排尿障害
片岡 円
1
,
増田 均
1
Madoka KATAOKA
1
1国立がん研究センター東病院泌尿器・後腹膜腫瘍科
pp.276-278
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110276
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症状
●前立腺・直腸・子宮など,骨盤内領域手術での自律神経周囲操作により,術後排尿機能障害として神経因性膀胱(neurogenic bladder:NB)が生じる.膀胱・尿道機能を司る骨盤神経の障害を発端とし,膀胱収縮障害・低コンプライアンス膀胱・尿意低下などの症状が主体となる.
●早期には術後尿道カテーテル抜去直後より症状が出現するが,適切な治療介入がなされないと排尿障害に伴う尿路感染・上部尿路機能障害を生じる恐れがある.閉塞による水腎症に感染を併発すると不可逆的な腎機能障害が生じ,長期的に生命予後に関連する.腎機能低下は術後の治療計画にも影響するため,適切な治療が欠かせない.

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