増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅱ併存症をもつ患者の評価とその術前・術後管理
呼吸器疾患
気管支喘息
津島 健司
1
Kenji TSUSHIMA
1
1東京医科大学八王子医療センター呼吸器内科
pp.56-58
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110056
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喘息の術前評価
本邦の喘息予防・管理ガイドライン1)では,気管支喘息を「気道の慢性炎症を本態とし,変動性を持った気道狭窄による喘鳴,呼吸困難,胸苦しさや咳などの臨床症状で特徴付けられる疾患」と定義している.喘息治療を行うためには正確な診断が不可欠であり,これが実臨床ではなかなか困難である.実臨床に即して治療的診断を行うアルゴリズムに基づき,生理学的検査が可能な状況であれば,変動性気流制限を気道可逆性試験,気道過敏性試験,ピークフローの日内変動20%以上のいずれかで診断することができる.これらの試験は気流制限の変動性を評価する検査であり,特徴的な臨床症状に加えて,これらのいずれか1つが陽性であれば,喘息と診断することができる.ただし,喘息合併慢性閉塞性肺疾患との鑑別は困難な場合もある.

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