増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅱ併存症をもつ患者の評価とその術前・術後管理
心疾患
不整脈
立石 遼
1
,
笹野 哲郎
1
Ryo TATEISHI
1
1東京科学大学病院循環器内科
pp.42-45
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110042
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総論
高齢化に伴い不整脈に遭遇する機会が増加しており,なかでも頻度の多い心房細動に関しては全人口比で1〜1.5%と推定されている1).手術を控えている患者においても術前検査で偶発的に指摘される場合や,すでに不整脈に対する治療を受けている場合も少なくない.本項ではそのような周術期の不整脈管理を解説する.
不整脈は徐脈性不整脈と頻脈性不整脈に大別される.徐脈性不整脈は心拍数が一時的あるいは連続的に50拍/分以下になる状態であり,①洞不全症候群,②房室ブロック,③徐脈性心房細動に分類される.一方,頻脈性不整脈は100拍/分以上になる状態であり,QRS幅などを参考に①上室不整脈,②心室不整脈に分けられる.徐脈性不整脈に関してはペースメーカーの必要性,頻脈性不整脈に関しては抗不整脈薬の投与や抗凝固療法の適応,またコントロールが困難な場合にはカルディオバージョンや電気的除細動を検討していく必要がある.

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