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特集 リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の三位一体
生活期における三位一体の取り組み—エビデンスの整理と介護保険施設での実践
An integrated triadic approach in the community and long-term care setting: a review of the evidence and practical implementation in long-term care insurance facilities
小蔵 要司
1
Yoji Kokura
1
1恵寿総合病院臨床栄養課
1Department of Clinical Nutrition, Keiju Medical Center
キーワード:
生活期
,
介護保険施設
,
栄養
,
口腔
,
三位一体
Keyword:
生活期
,
介護保険施設
,
栄養
,
口腔
,
三位一体
pp.379-388
発行日 2026年4月10日
Published Date 2026/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220540040379
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はじめに
日本は世界でも類を見ない速度で高齢化が進展しており,生活期にある高齢者の自立支援や重度化予防は,医療・介護の双方にとって喫緊の課題である.生活期とは,急性期や回復期を経て,在宅や介護施設で日常生活を営む段階を指し,ここでの支援の質がその後の生活の安定や社会参加に直結する.近年注目されている「リハビリテーション(リハ)・栄養・口腔の三位一体の取り組み」は,まさにこの生活期における課題解決の鍵となるものである.
従来,リハビリテーション,栄養管理,口腔ケアはそれぞれ独立した専門領域として実践されてきた.しかし,高齢者の生活機能は単一の要素では改善しにくく,身体機能・栄養状態・口腔機能が相互に影響し合うことが明らかになっている.例えば,低栄養を生じるとリハビリテーションの効果は限定的となり1),口腔機能が低下すれば栄養摂取そのものが困難になる2,3).言い換えれば,これらを同時に整えることで相乗的に生活機能の改善が期待できる.
こうした背景から,近年は制度的にも三位一体の推進が後押しされている4).本稿では,この取り組みについて制度的背景を整理し,次にエビデンスの現状を概観する.さらに,介護保険施設や通所系サービスでの実践のポイントを具体的に示し,現場で直面する課題を明らかにしたうえで,今後の展望を論じる.生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔の連携は,まだ発展途上にある新しい取り組みであるが,今後の高齢者支援の質を左右する重要なテーマであることを強調したい.

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