Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
内容のポイント Q&A
Q1 なぜ歯科職種が三位一体の取り組みにおいて必要なのか?
効果的な運動療法には適切な栄養管理が必要であり,そしてその両方に関与しているのが口腔である.咬合は運動のパフォーマンスに影響し,また,経口での栄養摂取は最良の栄養療法といわれており,咀嚼や嚥下機能維持,ADL・QOLの維持,向上にも寄与する.また,良好な口腔機能を維持するにあたり,運動や栄養摂取,管理を行っていくことも重要である.
Q2 具体的にどのようなことが期待されているのか?
口腔は健康と生活に重要な役割を果たしている.しかし疾病の回復段階において,大きな阻害因子となる要因に口腔状態の崩壊が挙げられる.口腔乾燥や汚染,口腔問題による誤嚥性肺炎等の感染や,経口摂取移行遅延等によるADL・QOLの低下を防ぐべく,栄養や運動と連携し,咀嚼や咬合,嚥下,表出機能等を維持し,経口摂取(美味しく食べることも含む)や運動のパフォーマンスに寄与する本来の機能を維持するための,生涯にわたる取り組みであると考える.
Q3 歯科職種がかかわる三位一体の取り組みの将来展望とは?
歯科職種が,栄養管理や運動,リハビリテーションとより深く連携できることではないだろうか.歯科側からの1方向ではなく,栄養,運動,リハと双方向からのアプローチが重要であり,この三位一体の取り組みが日常的に実施されていくべきである.「美味しく食べて元気に過ごす」ことが当たり前となる社会を構築していくべきであると考える.
Q4 実践例は?
口腔汚染が著明な患者における口腔ケアを看護師,歯科衛生士,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士と介入した例を報告する.どの職種がやるべきだ,という壁を取り払うことで口腔の状況は早期に解決し,経口摂取への移行や疾病管理,リハビリテーションにも効果的な連携であった.また,胃瘻造設を受ける患者の口腔管理についても報告する.口腔管理を丁寧に行うことにより,患者が自身の思いを言葉で伝えることができた症例である.
Copyright© 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.