Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
吉村昭の『白い航跡』—「ビタミンの父」高木兼寛の父親の脳卒中
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.1180
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530111180
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平成3(1991)年に吉村昭(1927〜2006年)が発表した『白い航跡』(講談社)には,脚気栄養説を唱えて,それまで猖獗を極めていた脚気を克服した海軍軍医・高木兼寛(1849〜1920年)の父親が脳卒中で倒れたときの様子が描かれている.
明治7(1874)年12月上旬,海軍の軍医養成校,後の海軍軍医学校に勤めていた26歳の兼寛のもとに,故郷・宮崎から手紙が届いた.それは,大工の棟梁だった48歳の父親が病で重態に陥ったという母親からの手紙だった.
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