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実践講座 嚥下障害の評価の実際・6
食べている,でも心配な知的発達障害児・者の摂食嚥下障害の評価
Eating, but worried about eating and swallowing dysphagia in intellectual developmental disorders assessment
大塚 義顕
1
Yoshiaki Ootsuka
1
1独立行政法人国立病院機構千葉医療センター千葉東病院
1National Hospital Organization Chiba Medical Center Chibahigashi National Hospital
キーワード:
知的発達障害
,
摂食嚥下障害
,
摂食嚥下評価
,
摂食訓練
Keyword:
知的発達障害
,
摂食嚥下障害
,
摂食嚥下評価
,
摂食訓練
pp.915-921
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530090915
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はじめに
これまで知的障害は,医学的には「精神遅滞」という名称が広く使われていたが,精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders fifth edition:DSM-5)に基づいて,本稿では「精神運動発達障害」を「知的発達症」,「知的発達障害」という言葉に置き換える.
知的発達障害は,遺伝子疾患やDown症候群などの染色体異常症,脳形成不全など先天性のもの,胎盤機能不全や早産,新生児仮死などの周産期に伴うもの,出生後の脳炎・脳症や頭部外傷,てんかんなど後天性のものに大別されるが,原因がわからないことも多いとされている1).
施設や在宅で,経口摂取を継続している知的発達障害児・者を診ているスタッフの多くは,偏食や成長や加齢による食べる機能の変化(低下)に不安を抱いていることもしばしばある.このような場合にみられる摂食嚥下障害の症状に,どのような摂食嚥下評価が有効なのか,また,在宅の現場でできる専門家による評価および各専門家の果たす役割と,専門的な評価や訓練をいかにリラックスして普段の状態を反映するように受けてもらえるかどうかのポイントについても解説する.

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