大学在学中の健康維持・管理の課題

Challenges in maintaining and managing health at universities

障害のある大学生の健康問題

　さまざまな障害のある1,103人のスペイン人大学生を対象に行われた調査によると，参加者の多くが世界保健機関の推奨する身体活動度を満たしておらず，複数の障害を併せもつ学生，慢性疾患のある学生，後天的障害のある学生，高齢の学生，肥満の学生，女性の学生は，同年代の他の学生と比較して特に運動量が少ないことが明らかになった^1）．

　また，自閉スペクトラム症（autism spectrum disorder：ASD）の学生や，その他の障害のある学生を対象にした健康調査でも，ほとんどの指標において，定型発達の学生よりも健康状態が悪いと報告している．具体的には，自己申告による身体的健康状態〔F（2，3070）＝39.59，p＝0.00〕，自己申告による精神的健康状態〔F（2，3068）＝132.97，p＝0.00〕，うつ病〔F（2，3065）＝87.08，p＝0.00〕，および不安〔F（2，3059）＝16.69，p＝0.00〕において，ASDの学生とその他の障害のある学生は問題を自覚している^2）．