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特集 障害者の進学・大学生活・留学
障害のある高校生の大学進学—大学における対応の現状と課題
High school students with disabilities going on to university: current situation and issues at universities
村田 淳
1
Jun Murata
1
1京都大学学生総合支援機構障害学生支援部門(DRC)
1Kyoto University, Agency for Student Support and Disability Resources, Disability Resource Center(DRC)
キーワード:
大学
,
障害学生支援
,
入学試験
,
高大接続
,
移行支援
Keyword:
大学
,
障害学生支援
,
入学試験
,
高大接続
,
移行支援
pp.265-271
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530030265
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はじめに
現在,大学などの高等教育機関(以下,大学など)において,障害のある学生の在籍者数が大幅に増加している.このような状況に至るには,当然ながら大学などの変化だけが要因とはいえず,むしろ,初等・中等教育における特別支援教育の変化や,さらにはそれらをとりまく法制度全般の影響があると考えることが妥当であろう.障害のある児童・生徒が大学などへの進学希望をもっていたとしても,基本的には,初等・中等教育,つまり基礎教育を含めた教育全体の過程の途上に高等教育が位置づけられるため,それまでの教育のカテゴリーにおいて多様な学びが模索され,学習の権利が保障されなければ,大学などへの進学につながることそのものにも課題が生じることになる.もちろん,障害のある学生は大学などに進学してからそのニーズが顕在化する場合も多いが,いずれにしても初等・中等教育における状況の影響を受けるという点においては同様であろう.
本稿では,まず,障害のある高校生の大学進学について,主に大学などにおける受験生(受験希望者を含む)の対応について概観し,その現状や課題を整理する.そのうえで,入学試験で合格した新入生が大学などに入学した時期(導入期)の状況や課題についても述べるとともに,具体的な取り組みの一例として,筆者が在籍している京都大学(以下,本学)における実践について紹介する.

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