Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
カフカの『変身』—家族を思いやる精神障害者
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.110
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530010110
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1915年,カフカ(1883〜1924)が32歳の時に発表した『変身』(中井正文訳,角川書店)は,グレゴール・ザムザという青年が巨大な虫になるという一見荒唐無稽な話であるが,見方によってはグレゴールが統合失調症的な病を発症したと考えることもできる作品である.
平凡なセールスマンだったグレゴールは,ある朝目覚めると,自分が巨大な虫に変身しているのを知って自室に閉じこもる.
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