学会印象記
「日本性機能学会第34回学術総会」印象記
上田 倫央
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1大阪大学大学院医学系研究科 器官制御外科学講座(泌尿器科学)
pp.96-97
発行日 2025年1月20日
Published Date 2025/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523930790010096
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2024年9月13日(金)から9月15日(日)までの3日間,日本性機能学会第34回学術総会が御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都千代田区)で開催されました.会長は千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学教授の市川智彦先生が務められました.今回の学会テーマである「多様性の時代を生きる.」をまさに体現されたような,多様な性の価値観を尊重し,議論し合えた他に類をみない学会であったと感じました.趣向を凝らしたプログラムが多く,性機能を学び始めたばかりの私にとっては非常に興味深い斬新な内容ばかりで,この3日間は時間を忘れて聞き入ってしまったほどでした.
特別報告では,順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科教授の辻村晃先生が25年ぶりに行われた性機能全国実態調査の結果を報告されました.25年前と比較してEDの有病率が大きく増加していることや若年者の性機能障害の実態が報告されましたが,若年者の高いED有病率は私の予想を上回るものであり,今後は高齢者だけでなく,若年者に対する性機能障害診療においても研鑽を積む必要があることを実感いたしました.また,今回の発表を聞き,現在のリアルワールドでの大規模データから現状に即した診療を検討する必要性を実感いたしました.私は学会発表や論文作成において,過去に誰かがしてくださった全国調査の結果を引用させていただくばかりの若輩者ですが,今回の発表を聞き,これまで泌尿器科領域における全国調査をしてくださった先生方への感謝の念が深くなるとともに,今後そのような機会があれば貢献したいと思うようになりました.
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