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特集 脳とAI—脳科学と人工知能研究の未来
ヒトiPS細胞からつくられる脳オルガノイドからみた脳と人工知能の将来
The future of the brain and artificial intelligence as seen from brain organoids created from human iPS cells
池内 与志穂
1
Ikeuchi Yoshiho
1
1東京大学生産技術研究所
キーワード:
脳オルガノイド
,
iPS細胞
,
培養
,
人工模倣組織
,
神経回路
Keyword:
脳オルガノイド
,
iPS細胞
,
培養
,
人工模倣組織
,
神経回路
pp.41-45
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310770010041
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ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの幹細胞から脳のような特徴を持った三次元生体模倣組織“脳オルガノイド”を作製する技術が急速に発展し,新たな脳研究の有力なツールとなりつつある。現在はまだ脳の特徴の一部を模倣しているにすぎないが,創薬,毒性試験,個別化医療,再生医療など様々な領域で応用されると期待されている。更に,脳の機能や知能の理解および活用に向けた展開も始まっている。
脳オルガノイド研究は2000年代後半から急速に発展しており,近年の人工知能と同じ時期に呼応するように飛躍的な発展を遂げてきた。初期には幹細胞から自発的に形成される組織が主に研究されていたが,組織工学的手法を融合させた次世代オルガノイドの研究も進んでいる。脳オルガノイド組織の発展に加え,神経活動の解析手法や理論研究が加わり,機能の獲得に関する研究が2020年代に立ち上がりつつある状況である。脳オルガノイド研究と人工知能は全く異なるアプローチでありながら,人工的な知能の理解や活用を目指すという究極的なゴールを共有しており,相補的な発展が期待される。

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