Japanese
English
特集 味と匂いの脳科学
Ⅱ.脳における味と匂いの情報処理と行動発現
学習によって獲得される匂いの価値判断の神経機構
Neural mechanisms of learned odor-value judgements
村田 航志
1
Murata Koshi
1
1福井大学学術研究院医学系部門脳形態機能学分野
キーワード:
嗅結節
,
価値判断
,
連合学習
,
ドーパミン
Keyword:
嗅結節
,
価値判断
,
連合学習
,
ドーパミン
pp.341-345
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760040341
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
生物を取り巻く環境は絶えず変化するため,そのなかで適応していくためには栄養価の高い食物や危険な状況の匂いを学習することが求められる。近年のマウスやラットを用いた研究により,腹側線条体と嗅皮質の両方の解剖学的性質を備えた脳領域である嗅結節(olfactory tubercle)が,食物や危険と関連づけられた匂いの価値判断に関与することが明らかになってきた。本稿では,嗅結節に注目が集まるようになった経緯と,これまでに得られた最新の知見について概説する。

Copyright © 2025, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.