増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
10.小児疾患
小児白内障—乳幼児の白内障を見逃さないために
森田 由香
1
,
大鹿 哲郎
1
1筑波大学医学医療系眼科
キーワード:
Red reflex法
,
臨界期
,
形態覚遮断弱視
Keyword:
Red reflex法
,
臨界期
,
形態覚遮断弱視
pp.285-289
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110285
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
小児白内障は,出生時から水晶体に混濁を認める先天白内障と,生後に混濁が出現する発達白内障に分類される。視力予後は発症時期(先天白内障か発達白内障か),片眼性か両眼性か,診断および治療時期が視覚発達の臨界期を過ぎているかどうか,白内障の混濁形式,白内障以外の眼合併症や全身疾患の有無など,複数の因子に左右される1〜4)。視覚発達の臨界期は片眼性では生後6週,両眼性では生後10〜12週とされており,この時期を過ぎてからの手術では形態覚遮断弱視のため,視機能の発達に限界が生じる可能性が高い1)。
先天白内障のみならず,発達白内障を含めた小児白内障は,早期発見および治療が何よりも重要であり,子どもの視覚発達のために,発見とともに速やかに専門施設へ紹介し,適切な診断と治療につなげる必要がある。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.