増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
10.小児疾患
先天緑内障—見逃してはいけない所見と小児診療時の心得
結城 賢弥
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1名古屋大学大学院医学系研究科眼科学・感覚器障害制御学教室
キーワード:
小児緑内障
,
流涙
,
眼内炎
Keyword:
小児緑内障
,
流涙
,
眼内炎
pp.280-284
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110280
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はじめに
緑内障性視神経症は,不可逆な視機能障害をきたす後天失明原因の第1位の疾患である。小児において,緑内障は人生全体に大きな影響を与えるため,小児緑内障診療はきわめて重要である。特に小児では眼圧上昇が視神経症だけでなく,眼軸延長,デスメ膜破裂,角膜径拡大など眼球自体に変形をきたす。特にデスメ膜破裂は生じてしまうと元に戻ることはなく不可逆の角膜混濁を生じてしまうため,先天緑内障の高眼圧は緊急疾患である。

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