第23回日本臨床眼科学会 GROUP DISCUSSION
白内障
pp.1271-1275
発行日 1970年10月15日
Published Date 1970/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204388
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I.白内障手術の比較検討
後藤保郎(県立尼崎病院)
対象は昭和41年4月より昭和46年6月までの1496例である。男女別,年齢別の比では高年者になるほど女に多い。これは女の平均寿命の高いためか。しかるに20代,30代は男に多い。これは職業上の必要のためと思われる。術式についての検討は次のようである。結膜弁なしの角膜切開と強角膜切開の有弁のものの成績比較は著明な差が認められない。娩出法のタンブリングとスライディングとの比較では硝子体ヘルニヤ発生には大差がないが硝子体脱出はスライディングの方がはるかに発生が少ない。α—キモトリプシンの使用に関する検討では一時眼圧上昇と続発性緑内障の発生率が高いのに注目すべきである。硝子体ヘルニヤと緑内障の関係は硝子体ヘルニヤの高度なるものほど,緑内障発生率が高い。糖尿病を有する白内障は術後,緑内障の発生率がやや高い。嚢内摘出のピンセット法と冷凍法の比較では冷凍法の方が破嚢率がやや少ない。
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