急性網膜壊死—初期治療介入が命！

はじめに

　急性網膜壊死（acute retinal necrosis：ARN）は，主にヘルペス群ウイルスによる感染性ぶどう膜網膜炎である。急激な視力低下や硝子体混濁を伴い，網膜動脈炎所見と急速に進行する網膜壊死による特徴的な周辺網膜の滲出性病変，網膜出血を認める。その滲出性病変は病態が進行するとともに癒合し，拡大を続ける。未治療の場合，重篤な網膜剝離や失明の危険性が高く，早期診断と抗ウイルス薬治療が視機能の予後を左右する。