今月の表紙
眼内レンズ落下
内田 強
1
,
坂本 泰二
2
1昭和医科大学医学部眼科学講座
2鹿児島大学
pp.690
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790060690
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- 文献概要
症例は67歳,男性医師。他院にて15年前に左眼の白内障手術を施行し,多焦点眼内レンズ(intraocular lens:IOL)を挿入した。2か月ほど前より,近くがはっきり見えていないことを自覚したが様子をみていた。4日前に,明らかな視力低下に気付き前医受診,IOL脱臼の診断を受け当院に紹介となった。既往歴は特にない。
初診時視力は,右1.0(1.2×+1.50D()cyl−1.25D 105°),左0.02(1.2×+11.50D()cyl−025D 30°)眼圧は,右14mmHg,左13mmHgであった。左眼前眼部は無水晶体眼状態で,前房は深く炎症なく,硝子体脱出も認めなかった,IOLは水晶体囊に包まれた状態で眼内6時方向に落下しており,網膜剝離はなかった。硝子体手術(IOL摘出術)および,IOLの二次挿入(強膜内固定術)を施行した。
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