乳頭新生血管

　症例は20代，男性。半年前からの見えづらさを主訴に前医を受診した。両眼の白内障と糖尿病網膜症の診断で，精査加療のため当院へ紹介受診となった。当院初診時における右眼の所見は，矯正視力1.0，眼圧17mmHg，皮質・後囊下白内障と，眼底には点状網膜出血のほかに線維血管膜や乳頭新生血管がみられ，増殖糖尿病網膜症と診断した。

　この画像は初診時に光干渉断層血管撮影を行ったもので，トプコン社製DRI OCT Tritonを用いた（左はプロジェクション画像）。広範囲に伸びた乳頭新生血管を記録するため，撮影範囲は9mm×9mmとした。撮影時間が長くなることや，瞬目・固視不良によって画像に乱れが生じてしまうことを患者に説明したうえで撮影を開始し，撮影中に適宜声かけを行った。画像の表示は，乳頭新生血管の形状や広がりを表現するために，網膜血管がなるべく入らないような深さや厚みになるよう調整を行った。