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2025年10月30〜31日にヘルスプロモーション・健康教育国際連合(International Union for Health Promotion and Education: IUHPE)の理事会に出席するため、カナダのモントリオールへ向かいました。機内食も食べ終わって一息ついた頃、「お客さまの中にお医者さまはいらっしゃいませんか?」というアナウンスが流れました。今まで国内線やJRでは遭遇したことはありましたが、国際線での呼びかけは初めてでした。どうやら2人の体調不良者がいるようで、応じて出ていくとカナダ人の看護師2人も手を挙げて出てきていました。お互い自己紹介をして、一人はモントリオールのER(emergency room)勤務の男性看護師、もう一人は訪問看護を行っている女性看護師で、私は総合診療医ということで3人の即席のメディカルチームが結成されました。
客室乗務員に導かれた先には青ざめた表情で座席に沈み込む若い男性がいました。呼吸が速く冷や汗をかいており、ぐったりとしています。機内には思った以上に医療機材が充実しており、血圧計やパルスオキシメーターはもちろん、簡易血糖測定器、酸素ボンベもあり、心電図の代わりとして使える自動体外式除細動器(automated external defibrillator: AED)、点滴パックや注射用の薬剤もありました。血糖測定器の単位はmg/dlでなくmolだったりと国内の機材と違いはあるものの、バイタル測定のための基本機材はそろっている印象です。酸素を投与しつつこれらの機材でバイタルが安定していることを確認し、おそらく過呼吸症候群であろうということで、この男性は経過を観察しその後回復に向かいました。
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