映画の時間
—純白の少女は狂気を纏い花開く—JOIKA—美と狂気のバレリーナ
桜山 豊夫
pp.377
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890040377
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バレエをテーマにした映画では、シャーリー・マクレーンとアン・バンクロフトの2大女優が共演し、共にアカデミー主演女優賞にノミネートされた『愛と喝采の日々』(1977年/米)が有名です。サイコ・スリラー的要素があった『ブラック・スワン』(2010年/米)も記憶に残ります。米ソの冷戦時代を描いた『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』(2018年/仏・英・露)も面白い映画でした。日本映画では疑似親子的関係を描いた『ミッドナイトスワン』(2020年)もいい映画でした。今月ご紹介する『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』は、邦題にもあるように、プリマを目指すバレリーナの葛藤を描いているという点で『ブラック・スワン』に近いものもありますが、事実に基づいて製作されている点は、『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』に近いものもあります。
映画の冒頭はドキュメンタリーを思わせるようなインタビューから始まります。ジョイ・ウーマック(タリア・ライダー)は小さい頃から、ボリショイ・バレエ団のプリマ・バレリーナになることが夢でした。テキサスで育った彼女は、単身15歳でロシアに渡りボリショイ・バレエ・アカデミーに入学します。寮の部屋でしょうか、目覚まし時計で目を覚ましたジョイは、秋クラスのレッスンに臨みます。ロシア語を満足に話せない彼女を待っていたのは、クラスメイトとの激しい競争と、バレエ教師ヴォルコワ(ダイアン・クルーガー)による厳しい指導でした。プリマを目指すクラスメイトたちは、みんなライバル。隙あらば蹴落とそうという感じです。
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