映画の時間
—みんなもろい 街も、家族も、わたしの心も—港に灯がともる
桜山 豊夫
pp.93
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890010093
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電車に乗って、どこかへ向かっている女性の映像から映画は始まります。どこへ行くのかと思っていると、場面は変わって女性が泣きじゃくっている描写に変わります。精神科の診察室でしょうか。女性はうつ状態なのか、あるいは双極性障害でしょうか、ドキュメンタリーのような映像です。よく分からないままに観客は映画に引き込まれていきます。
この女性が本作の主人公、金子灯(富田望生)です。造船会社に就職が決まったようで、父親(甲本雅裕)に会社の寮まで送られて、一人暮らしを始めるようです。
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