投稿・活動レポート
令和6年能登半島地震における石川県能登町での災害支援活動について
佐藤 大介
1
,
清水 誉子
1
,
酒井 彰久
1
,
北野 華奈恵
1
,
加藤 千夏
2
,
大西 秀典
3
,
山村 修
3
1福井大学学術研究院医学系部門看護学領域
2公立小松大学保健医療学部看護学科
3福井大学学術研究院医学系部門医学領域
pp.86-91
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890010086
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はじめに
「令和6年能登半島地震」は、石川県能登半島北東部を震源とし、マグニチュード7.6、震源の深さは約16kmであった1)。発災直後の避難者は4万人を超え2)、2024(令和6)年11月5日現在、死者数は422人(災害関連死を含む)に達している3)。この地震により、奥能登地域は甚大な被害を受けた。慢性期の避難者の多くは仮設住宅に入居が進む一方で、コミュニティーの崩壊、生活不活発病の発症や慢性疾患の悪化、さらには孤独死のリスクが高まることが懸念されている4)5)。こうした課題に対応するためには、中長期的な視点での支援が不可欠である。
福井大学医学部では、こうした状況を受け「能登半島地震災害支援チーム」(以下、本チーム)を結成した。メンバーは、医学科・看護学科の教員および学生、大学院生、そして他大学の看護系教員および学生から構成され、保健医療福祉の観点から被災者を支援することを目的としている。活動場所として、本チームとのつながりのあった能登町に焦点を当てた。能登町は、奥能登地域でも特に外部支援が減少している状況であった。地元の保健師と連携し、避難所や応急仮設住宅(以下、仮設住宅)に入居した被災者、在宅避難者に対し、ケアニーズの把握、予防的介入、定期的な健康教室の開催を計画した。本レポートは2024(令和6)年4月から5カ月間の活動内容を紹介する。
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