FOCUS
肝線維化マーカー
武村 和哉
1
1大阪公立大学医学部附属病院中央臨床検査部
pp.346-349
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540030346
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はじめに
肝疾患の疾患構造は,核酸アナログ製剤や直接作動型抗ウイルス薬など,ウイルス性肝炎に対する治療薬の発展により大きく変化している.実際,わが国の肝がん初発例の半数以上,肝硬変背景疾患の約3分の2が非ウイルス性肝疾患となっている1).
慢性肝疾患のうち,最も有病率の高い非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は,“non-alcoholic”が実際の病態を反映していない点や,“fatty”“alcoholic”という言葉による差別・偏見への懸念から,2023年,代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease:MASLD)への名称変更が提唱された2).MASLDの有病率は全世界で30%と高く3),これからの肝疾患診療の焦点となることが予想される.
肝線維化の進展は肝発がんのリスク因子であり,ウイルス性肝疾患・MASLDをはじめ,あらゆる慢性肝疾患の予後に影響を及ぼす.従来,肝線維化評価のゴールドスタンダードは肝生検であったが,サンプリングエラーや病理医間の診断の不一致,侵襲性といったさまざまな問題点が存在する.そのため近年では,Vibration-Controlled Transient Elastography(VCTE)TMやMR elastographyといった画像診断や,血中バイオマーカー(肝線維化マーカー)を用いた非侵襲的検査が活用されている.

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