FOCUS
覚えておきたい腹膜透析と血液透析患者のトラブルへの対応
米倉 尚志
1
1東邦大学医学部腎臓学講座
pp.342-344
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540030342
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はじめに
現在,わが国の慢性維持透析患者数は34万人を超える.透析患者は特有の病態を有するため,日常的に検体や患者に接する臨床検査技師がその臨床背景を理解することは極めて重要である.具体的には,腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)患者には腹腔内にカテーテルが,血液透析(hemodialysis:HD)患者にはバスキュラーアクセス(vascular access:VA)として内シャントや長期留置カテーテルが存在する.これら治療に不可欠なカテーテルやVAは,それ自体が感染巣となりうるため,感染症は常に念頭に置くべき最重要合併症の1つであり,その多くは緊急対応を要する.
本稿では,これら透析療法特有のトラブルの中でも,特に緊急性の高い合併症に焦点を当てる.具体的には,PDにおける腹膜炎,HDにおけるシャント感染,次に,シャント狭窄・閉塞やシャント瘤といった器質的病変,さらにはPD患者とHD患者に共通する緊急症状である腹痛へのアプローチについて,臨床検査技師が果たす役割を中心に概説する.

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