増大号 糖尿病のすべて。 検査データに基づいた診療のポイント
4章 さまざまな合併症
歯周疾患
横尾 聡
1
1群馬大学大学院医学系研究科口腔顎顔面外科学講座・形成外科学講座
キーワード:
糖尿病
,
オーラルフレイル
,
認知機能低下
,
慢性潜在性炎症
,
リポ多糖
Keyword:
糖尿病
,
オーラルフレイル
,
認知機能低下
,
慢性潜在性炎症
,
リポ多糖
pp.236-239
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540020236
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はじめに
オーラルフレイルは,歯の喪失や食物摂取,会話などに代表されるさまざまな顎口腔機能の“軽微な衰え”が重複して口腔機能低下の危険性が増加しているが,改善が可能な状態をいう.“残存歯数の減少”“咀嚼困難感”“嚥下困難感”“口腔乾燥感”“滑舌低下(舌口唇運動機能の低下)”の5項目(oral frailty 5-item checklist:OF-5)のうち2つ以上が該当する場合にオーラルフレイルと定義される.オーラルフレイルは進行すると口腔機能低下症,すなわち不可逆的な摂食障害へと移行し,フレイルやサルコペニア,低栄養を引き起こす1).そのため,糖尿病や肥満とオーラルフレイルは相反方向であるかのように捉えられる.しかし,歯周病の進行によるオーラルフレイルが咀嚼機能低下を引き起こし,その機能障害が心理的・認知的フレイルと密接に関係し,糖尿病・肥満に移行するという機序が成り立つ.
本稿では,オーラルフレイルと糖尿病の関連性を認知機能の観点から,さらに,糖尿病と歯周病との関連を慢性潜在性炎症(chronic sub-clinical inflammation)の観点から解説する.

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