増大号 糖尿病のすべて。 検査データに基づいた診療のポイント
4章 さまざまな合併症
動脈硬化性疾患(大血管障害)
長坂 崇司
1
1群馬大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
大血管障害
,
非侵襲的生理検査
,
予防的介入
Keyword:
大血管障害
,
非侵襲的生理検査
,
予防的介入
pp.214-219
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540020214
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はじめに
糖尿病は細小血管障害だけでなく,大血管障害(冠動脈疾患,脳血管障害,末梢動脈疾患)の発症リスクを著しく高め,心血管イベントによる死亡や生活の質(QOL)の低下に直結する重大な疾患である.大血管障害はしばしば発症前に自覚症状を欠き,診断が遅れることで不可逆的な臓器障害や急性イベントに至る可能性が高い.そのため,症状出現前の段階で血管機能や構造の異常を捉え,適切な予防的介入につなげることが予後改善の鍵となる.近年,非侵襲的生理検査の技術は進歩しており,血管スティフネスや内皮機能,局所的な構造変化を安全かつ容易に評価できるようになった.これらの検査は,糖尿病患者における大血管障害の早期発見や治療効果判定において臨床現場で不可欠なツールである.
本稿では,糖尿病患者の大血管障害の病態と発症メカニズムを概説し,臨床で広く用いられる非侵襲的生理検査の原理と特徴,さらに結果を統合的に活用する意義について述べる.

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