FOCUS
当院の聴力検査における精度管理
上田 瑞穂
1
1JA尾道総合病院生理研究検査科
pp.1192-1195
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530111192
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はじめに
オージオメータは聴力検査に使用され,難聴の病態把握,騒音作業従事者の聴力管理や健康診断に利用されている.
オージオメータ(図1)は,被験者に,電気的に発生した信号(音)または標準化された語音を増幅器・減衰器などを通して検査音として与え,被験者自身の認知・応答によって,聴覚機能を評価する装置である.固定周波数オージオメータの基本周波数は,125,250,500,1,000,2,000,4,000,8,000Hzのオクターブステップの7周波数で,これに750,3,000,6,000Hzなどの中間周波数をもつものがある.その規格は日本産業規格(JIS T 1201-1:2020)1)で,対応国際規格と整合するように定められている.
オージオメータは常に正規の状態で作動することが必要であり,日常点検および定期点検を行い,測定機器の機能を担保する精度管理が必要となる.本稿では,JA尾道総合病院(以下,当院)で実施している主観的精度管理について紹介する.

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