FOCUS
法的脳死判定時の臨床検査技師の役割
伊藤 亜子
1
1岐阜大学医学部附属病院検査部生理機能検査部門
pp.1188-1191
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530111188
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はじめに:日本の臓器提供の現状
現在,日本では,臓器不全のため臓器移植を希望している,日本臓器移植ネットワークへの登録者が約16,000人いる1).なかでも腎臓移植を希望する人が最も多く,現在約14,000人が待機しており,そのうち約2,000人(14%)が15年以上の長期間待機をしている状況である.日本における臓器提供については,2010年7月の「改正臓器移植法」の施行に伴い,臓器提供に関して,本人の意思が不明であっても家族からの承諾を得ることで臓器提供が可能となった.これにより15歳未満でも臓器提供が可能となり,移植法改正以降は,脳死下での臓器提供は心停止後の臓器提供と比べて年々増加傾向である(図1)1).脳死下での臓器提供の場合,法的脳死判定を実施するが,臨床検査技師も関わることから,その知識と検査手技について十分に理解しておく必要がある.

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