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法的脳死判定における脳波検査のポイント—脳波検査マニュアルの必要性
竹下 仁
1
,
中岡 昇
1
,
堀之内 圭三
1
,
西田 尋美
1
,
木村 仁美
1
1大阪府三島救命救急センター検査科
pp.1029-1034
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905962
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はじめに
臓器移植法に基づく脳死判定基準の1つに,いわゆる“平坦脳波”の確認がある.法的脳の活動電位判定における脳波検査は,非常に微弱な脳の活動電位の有無を確認するための検査であり,厳格な統一基準が必要である.1999年10月に厚生省から発行された「法的脳死判定マニュアル」1)が現在の基準となっているが,これは最低遵守基準と考えるべきで,関連学会,国際基準などを参考に,より厳しい基準に基づいて検査を行うのが確実な判定に繋がると思われる.
検査を行ううえでは患者の安全確保はもとより,確実な判定のためのアーチファクトの除去と円滑に検査が進められることが要点である.言い換えれば脳死判定における脳波検査の精度保証をいかに行うかであり,それには検査の基準や手順を具体的に明記したマニュアルの作成が必要になる.ここではわれわれの施設で採用している脳波検査マニュアル(図1)に沿って脳波検査上の注意点を述べる.しかし,環境によるアーチファクト除去法などは施設によっても異なる場合があり,各施設に即した方法の構築が望まれる.
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