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特集 肝臓移植を理解する
法的脳死判定の実際と問題点
Diagnosis of brain death and clinical problems
田中 秀治
1
,
山口 芳裕
1
,
島崎 修次
1
Hideharu TANAKA
1
1杏林大学医学部/保健学部救急医学
キーワード:
法的脳死判定
,
脳死
,
臓器移植
Keyword:
法的脳死判定
,
脳死
,
臓器移植
pp.27-34
発行日 2000年1月20日
Published Date 2000/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903998
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臓器の移植に関する法律(以下,臓器移植法)が1997年10月16日に施行されて以来,4例の脳死体患者から心,肝,腎臓を含む多臓器の提供がなされ,わが国でも本格的な脳死下移植医療がスタートした.しかし,この4例の臓器提供における一連の経過で当初予想されえなかったさまざまな問題が発生した.中でも法的脳死判定とその手続きでの混乱は臓器提供施設において解決すべき大きな課題である.一方で臓器提供施設ではいつドナー候補者が入院するかもしれず,その際に迅速かつ,正確な対応を行うためには,平素からの体制整備が必要である.その一つが臓器提供における手順を施設全体で理解しておくことである.また脳死判定のための委員会の設置,法的脳死判定に入る前の種々の必須条件の理解や,脳波測定の再チェックなど,臓器提供病院では準備しておかなければならないことは山積している.厚生省ではこれらの問題点に対応するための「法的脳死判定マニュアル」と「臓器提供施設マニュアル」を作成した.臓器提供施設ではこれらのマニュアルを参考に各施設での具体的対応策を早急にまとめておくことが必要である.
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